会長ご挨拶

近年、私たちは地球温暖化や生物多様性の喪失、貧困や食の安全・安心など各種の深刻な問題に直面し、それらの解決を迫られています。また、私たちは2011年3月11日には東日本大震災という未曽有の大災害を経験し、かつてない社会的困難を克服しなければならない状況にもおかれています。

「持続可能な社会の構築」をめざして、これまでにも政府を中心に社会的課題の緩和や解決に向けたさまざまな取り組みが進められてきましたが、残念ながらそれらの対策が十分な成果をあげてきたとはいえません。それはこれらの社会的課題が非常に多岐で広範囲にわたっていることのみならず、一つ一つの課題の規模が大きく、かつ複雑であることなどに起因しています。社会的課題の解決はもはや特定の個人や組織だけではできず、その枠を超え、社会全体として取り組んでいかなければならない局面にきています。

幸いにも、社会が成熟する中で、人々の生活や消費に対する欲求、ライフスタイルは変化し、「誰かのために、何かのために、少しでも役に立ちたい」という人々の気持ちは近年、急速に高まっています。また、そうした人々の意識の変化は、確実に社会の新しい潮流となりつつあります。そのような観点から考えた場合、人や地球にやさしい社会貢献型の商品・サ-ビスである「ソ-シャルプロダクツ」(Social Products)には、社会的課題の緩和や解決を実現する大いなる可能性が秘められています。

こうしたことを受けまして、多くの研究者・企業関係者のご支援のもとに、今般「ソ-シャルプロダクツ普及推進協会」(APSP-Association for the Promotion of Social Products)を設立させていただくことになりました。

当協会の基本理念は、「ソ-シャルプロダクツを通して世界を変える」ことにあります。私たちはさまざまな個人、企業、団体の皆さまと協働しながら、「ソ-シャルプロダクツ」の普及と推進に努め、より多くの生活者が気軽に、無理なく、継続的に、より良い社会づくりに参画できる機会をつくり出していく後押しをすると同時に、それを「持続可能な社会」の実現に向けた “力”に変えていきたいと思っています。

こうした理念の実現に向けて、ぜひとも多くの皆さまのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人 ソ-シャルプロダクツ普及推進協会会長 江口 泰広
2012年7月
一般社団法人 ソ-シャルプロダクツ普及推進協会会長
江口 泰広(学習院女子大学名誉教授)

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