APSP PR 身の丈 ファッションコラム vol.4 <br>再生ポリエステル

2021/10/06

APSP PR 身の丈 ファッションコラム vol.4
再生ポリエステル

-APSP 理想のファッション PRとは、PR視点と消費者の視点で、社会性向上のための、ブランド企業の陰なる努力のリアルに学び、FACT+ACTION +「身の丈」のFASHIONでお伝えすること‐

気候は暑さ・寒さの端境期にある今日この頃、店頭やクローゼットの服のラインナップも変化しつつあります。毎年「ファッションが一番楽しくなる」と感じる秋の到来で、頭も心も落ち着いて、身の回りの環境や社会の課題を考えやすくなると感じます。今回は、続々と発売するファッションアイテムにエコ・サステナブル素材として注目が集まる「再生ポリエステル」に注目。「考えながら消費する」を実践したPRのコラムをお送りします。

ニュースの中から、再生ポリエステル考

本日のテーマは、トレンドニュースをファッションからビジネスまで“雑食”に読むことが多いPRが最近メディアの中から得た気づきに始まります。日々、続々と登場する新商品発売のニュースには「ペットボトルから作られた再生ポリエステル使用」「再生ポリエステルの●●を使用したXX発売」・・・といったように、各ブランドから「サステナビリティを意識」したという文脈の話題が多くなってきたのでは?と感じるようになってきました。

豊島株式会社さんが行うファッションへの環境意識調査「サステナブル素材に関する調査」最新動向では、最も知られるサステナブル素材に「オーガニックコットン」が1位。「着なくなった服をリサイクルした繊維」と「廃棄プラスチックをリサイクルした繊維」が2位、3位と続き、後者は昨年より5%以上も認知がアップする結果となっていました。

ポリエステルに「再生」がついただけで、今、こんなにもてはやされるようになっているのは、一体なぜでしょうか。 改めてポリエステル繊維のメリットやリサイクル素材について、おさらいしてみました。

 

もう一度、ポリエステル繊維の何がいいのか

まずは「再生」のつかない方のポリエステルから。世界的に生産が増える化学繊維で、国内繊維生産量では合成繊維の中でも最も大きな割合を占める(※)ポリエステル繊維。ナイロン、アクリルと並ぶ三大合成繊維の一つですが、他と比較して「生産が容易」であると言われています。

※石油化学工業協会 年次統計資料「石油化学と合成繊維」

ユーザー視点でポリエステル素材に感じる大きなメリットは、その機能性ではないでしょうか。綿素材と比べて吸水・速乾機能が優れ、雨風に打たれ強く、発汗にも対応し、特に暑い季節には役立ちます。また劣化もしにくいため、アクティブに動いてガシガシお洗濯したい人にとっては好適と、ポリエステル素材自体のメリットも見逃せません。


続々と発売される再生ポリエステル素材商品の使われ方として、洋服だけではなく、バッグやシューズ、小物入れや時計のバンドなど、細部にも採用されているのが見受けられます。個人的にはこうした製品はサラサラとなめらかな手触りで「お手入れがしやすい」のも特徴だと感じています。

一方「ポリエステル繊維」の大元の原料をしっかり調べている方の中には、石油や石炭、天然ガスといった天然資源を原料に人工的に作られていることや、ポリエチレンテレフタレート(ペットボトルのPET)がポリエステル繊維の元々の原料であることで、これをヘビーユースすることにやや抵抗を持っている方もいるかもしれません。

 

衣のトレーサビリティ「グローバル・リサイクル・スタンダード(GRS)」

 

リサイクル素材(*)に対して、何となく「いいな」と思ってきた・・・そんなソーシャルプロダクツ・ショッパーの皆さんもこれを機に知っておいていただきたい国際的なリサイクル製品基準があります。
(*)今回紹介する「再生ポリエステル」の他、竹繊維や漁網リサイクルのレーヨンも代表的なリサイクル素材です。

「グローバル・リサイクル・スタンダード」(以下、GRS)は、リサイクルされた材料が商品になるまで適切に管理されているか、環境・社会・科学的慣行の3つの観点で検証する国際的な認証。消費者が信頼できるリサイクル製品を選ぶために、2008年からControl Union Certificationがこのような第三者機関を設けています。

最近買い求めた商品の(タグには書かれていないかもしれませんが)どこかに、GRSのマークはついているか、もしくはWEBサイト等に記載があるか、どんな情報発信をしているのか・・・?日々の食品については産地や製造工程を重視していたが「衣のトレーサビリティ」については疎かった(まさにPRのことですが)、そんな方は、是非一度チェックしてみてください。

 

ニュースやルックスに飛びつかず、自分の頭で考えて取り入れる

ブランドから発信されるメッセージにもリサイクル/サステナブル情報が溢れるにしたがって、その広告や投稿が本当に確からしいのか、ニュース由来ではなく、自分の頭で考えることの必要をますます感じるようになりました。
ともすれば “悪者” になりがちなペットボトルを原材料としていても、「再生」や「リサイクル」がつくと「環境によさそう」と感じる感覚は確か。ただし、こうした商品を量産すればするほど環境負荷が生まれるのではないか、と懐疑する方の意見も見られました。業界専門の方でも意見が分かれますが、最終的な購買判断をするのは私たち消費者。次に自分が本当に「欲しい!」と思うものに出逢ったら「再生PET」や「生分解性」のついたポリエステル素材を選択することも、1つのソーシャルアクションと評価し、PRは推進していきたいと考えます。

先日「サステナブル・ファッション」が特集されていたラグジュアリー誌『HARPER‘S BAZAAR』10月号には、注目集まるリサイクルポリエステルについてこう書かれていました。「(中略)こうしたリサイクル製品は、素材の寿命を延ばすことはできても、ファッション業界が抱える問題である過剰生産の暴走を解決するわけではない。リサイクルポリエステルを使った商品が単純にサステナブルだといえない事実を知ることが大切。リサイクル素材の使用も適量生産あってこそ。」

これを受けて、あなたは、どう考えますでしょうか?今度、皆さんが「再生」や「リサイクル」と書かれている新商品に遭遇したら、ビジネスの観点、生活者の観点で素材について一考する機会をもっていただける、このコラムがそんな一助となれば嬉しく思います。

 

~Insta PR episode~

 

敬愛する「トリーバーチ」の新作を相棒に秋、はじめました。本体と裏地が再生ポリエステル。
#RecycledPolyester #Totebag #ToryBurch #NewSeason

 

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