6 月 5 日は環境の日、6 月は環境月間です。日本では環境庁(現環境省)の呼びかけにより、1991 年に制定されました。今回は、責任ある森林管理を推進することを目的に、環境や地域社会に配慮した管理がなされている森林と、その森林で産出された木材を利用した製品に付与される「FSC (Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)認証」をご紹介します。
●認証制度の特徴●
FSC (Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)認証は、世界中の全ての森林を対象とし、環境保全の点から見て適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を推進することを目的とした国際的な認証制度です。認証は 2 つから成り、「環境や地域社会に配慮して管理や伐採が行なわれているかを信頼できるシステムで評価・認証するFM認証」と「その森林から生産されたた木材や木材製品の加工流通工程を評価・認証するCOC認証」です。この 2 つの認証を経て作られた製品だけが FSC 認証のロゴマークを使うことができます。
●社会的課題との関わり●
FSC 認証のロゴマークが付いた製品は、環境、社会、経済的側面から適切に管理された森林」から産出されたことが保証された商品です。
このロゴマークの付いた製品を幅広く流通させ、一般の消費者が木製品や紙製品を購入する際に、同マークの付いたものを選んでもらうことで、適切な森林管理を行なっている林業者の支援につながり、世界の森林保全へ貢献することになります。
●認証を取得した製品●
コピー用紙やティッシュペーパーなどの紙製品、鉛筆や割り箸などの木製製品、他にも家具や建築資材などがあります。全ての森林由来の製品が対象になるので、しいたけやアロマオイル、コルクなど変わった製品もあります。
FSC 認証(CoC)を受けた事業者は日本では、1,599 社、世界では 43,864 社にのぼります。認証林面積は国内に約 41 万Ha、世界では 2億Ha以上です。(2020年9月現在)
●ご担当者様からのコメント●
環境配慮の側面が注目されがちですが、FSC は環境だけでなく、地域社会や先住民、労働者への配慮、地域経済の発展や森林経営の持続性にも配慮した包括的な基準を採用しています。世界の森林を上手に守りながら、持続的に利用していきたいと願う企業や環境団体、市民団体が集まって、みんなで作る原則と規準を基にしています。最近では社会的課題への関心が高まり、先住民族や小規模林家への支援にも積極的に取り組んでいます。