日本だけでなく、世界各地でオーガニックの食品を求める人々が増えています。日本で生産・製造されたものを、外国で有機表示する場合、一般的な法制度はもちろんのこと、当該国・地域の有機表示制度を満たさなければなりません。今回は、EU の厳しい基準を満たしたオーガニック食品であることを証明する「EU 有機(オーガニック)認証」をご紹介します。
●認証制度の特徴は?●
「EU 有機(オーガニック)認証」とは、当該商品が EU の有機農業規則に従って生産されていることを、第三者の認証機関が証明する制度です。EU加盟国で食品に有機表示をするためには、EU の有機制度に基づいていなければなりません。
現在、日本の有機 JAS 認定制度と EU の有機制度で同等性が認められており、一部の製品(例:日本産原料を加工した有機醤油など)は、EU 加盟国へ有機表示をして出荷することができます。しかし、その他の有機製品(例:有機酒類、中国産原料を加工した有機醤油など)を EU で有機表示するためには、EU 有機認証を取得することが必要です。
●認証制度を利用するメリットは?●
事業者は、「EU 有機認証」を取得すると、日本のJAS 規格では同等の水準と認められない有機製品を EU加盟国へ輸出することができます。
生活者にとっては、EU 加盟国へ訪れて買い物をする際、環境に優しい有機食品を選択するための目印となるでしょう。
●認定を取得した取り組み・取得状況●
認証を受けている製品は、有機 JAS 制度で認証の対象外となっている酒類や有機農産物由来の加工食品となり、現状国内の認証取得事業者数は 5 件程度です。
●担当者からのコメント●
EU 市場の向けのマークですので、国内の生活者にはあまり馴染みのないものかもしれません。ただ、EU には米国と並ぶ約 3 兆円の有機市場があるといわれ、有機食品の輸出においては、魅力ある市場です。EU 認証マークを表示できれば、EU の生活者へのアピールになりますので、事業者の方々には積極的に認証を取得していただきたいと思います。(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会・高橋俊彰さん)
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