農薬・化学肥料を使わない大地で作られたオーガニック植物等を使用してつくる「オーガニックコスメ」が増えています。しかし、日本ではオーガニックコスメの認証機関はなく、製品の定義自体も曖昧というのが現状です。
一方、海外では複数の認証が存在し、 それらの認証マークを貼付した国産オーガニックコスメも見かけるようになってきました。今回は、厳しい基準を満たしたオーガニックコスメであることを証明する国際的な認証「ネイトゥルー認証」をご紹介します。
●認証制度の特徴は?●
ネイトゥルー認証制度は、自然・オーガニック化粧品及び化粧品原料に対する認証です。認証を受けた化粧品には、「自然化粧品」と、配合自然原料のうち 70%以上がオーガニックである「オーガニックな原料を含む自然化粧品」、配合自然原料のうち 95%以上がオーガニックである「オーガニック化粧品」の3つの認証が存在します。
ネイトゥルーでは、合成成分は不必要なものであると考え、配合を認めている原料を「自然原料」「準自然原料」「自然同一原料」の3つに区分し、その配合量等も細かく制限しています。製造方法、環境保護、動物保護についても厳格な基準を設けていることも特徴です。
●認証制度を利用するメリットは?●
ネイトゥルー認証を受けた製品・原料は、その組成も含めてデータベース化され、日本語、英語、ドイツ語、フランス語などに訳されて、ウェブサイトに公開されます。
生活者はいつでも認証製品について最新の情報を入手することができるので、体や環境に優しい製品を安心して選択することができます。
ネイトゥルー認証のオーガニック原料の審査基準には IFOAM(国際有機農業運動連盟)基準が採用されています。 製造業者や販売業者は、認証マークを表示することで国際基準を満たした製品という安全性や信頼性をアピールし、生活者への購入促進を図ることができます。
●認定を取得した取り組み・取得状況●
ネイトゥルーは自然・オーガニック化粧品に関する厳格な基準の維持を目的として 2007 年に設立された、ベルギー・ブリュッセルにある国際的な非営利団体ですが、設立以来、約 200 ブランド、4500 の製品が認証を取得しています。(2015 年 11 月現在)
現在、世界各国に 20 の第三者認証機関が存在し、日本では一般財団法人 日本薬事法務学会が唯一の第三者認証機関として活動しています。日本で販売されているネイトゥルー認証を取得しているブランドは約 20 ブランド。ローションやボディオイル、美容液などの製品がオーガニックコスメとして販売されています。
●担当者からのコメント●
ネイトゥルー認証は、自然・オーガニック化粧品を手に取る生活者に正しいメッセージを伝えることを可能とし、それら製品が信頼できるものであることの証となります。
事業者にとっても、ネイトゥルー認証を取得することは、国際レベルの高品質な製品を世界発信する可能性を広げることになるでしょう。
現在、国内の自然・オーガニック化粧品メーカーも認証取得には意欲的で、多くの問い合わせや質問が寄せられております。(一般財団法人 日本薬事法務学会榎本いづみさん)
取材ご協力
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