PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を原料としてつくられる PET ボトルは、材料が単一であ
ることから、リサイクルに向いている素材とされています。使用済み PET ボトルは、再生商品化製
品(リサイクル製品の原料) へとマテリアルリサイクルされた後、繊維やシートなどの多種多様なリ
サイクル商品として生まれ変わります。そうした PET ボトル再利用商品のなかには、「PET ボトルリ
サイクル推奨マーク」がついているものも多く、生活者が環境配慮型の商品を選ぶ際の目印とな
っています。今回はこのマークをご紹介します。
●認証制度の特徴は?
PET ボトルリサイクル推奨マーク(以下、推奨マーク)は、使用済み PET ボトルを原料として再利用した商品に表示するマークです。推奨マーク認定商品を通じて、消費者にリサイクル商品選択を促し、PET ボトルのリサイクル推進に役立てることを目的として、PET ボトル協議会が 1995 年9 月に運用を開始しました。
マークの認定基準は、「日本国内で回収された使用済み PET ボトルで、再商品化されたフレーク、ペレットまたはパウダーが 25%以上原料として使用されており、商品の主要構成部材として利用されていること」「品質及び安全性については関係法規、基準等に合致していること」等があります。認定委員会において申請内容を確認し認定する仕組みとなっています。
●認証制度を利用するメリットは?
再生 PET ボトル製品に推奨マークを表示することで、生活者には「環境配慮型の商品を使用し、環境負荷低減に参加している」という意識を高めてもらうことができます。製造・販売する企業にとっては、目に見えにくい環境問題に対する取り組みを生活者に PR し、購買の促進を図ることができます。また、グリーン購入法適合商品において、文具類や制服・作業服、作業手袋、インテリア・寝装、その他繊維製品等の分野では、再生 PET 樹脂の使用率が判断基準の一つとして示されており、推奨マークの基準をクリアする再生 PET ボトル製品は、「グリーン購入法適合商品としても」と 1 ランク上のアピールができます。
●認定を取得した取り組み・取得状況
PETボトルリサイクル推奨マーク認定を受けているメーカーは現在、約 250 社あり、マーク認定商品は 300 種類。
使用済み PET ボトルを再生したフレーク、ペレットを利用して生まれ変わる製品には、スーツや制服をはじめとする衣料品、布小物、バッグ等の繊維製品、ぬいぐるみ等の玩具、水切りごみ袋、ごみ袋、ワイパー、モップ、バケツ等の日用品、カーペット、毛布、シーツ、カーテン等の寝具・インテリア用品等々があり、PET ボトル協議会参画団体の「PETボトルリサイクル率 85%以上の維持」という目標とともに、認定商品数の増加を目指しています。
●担当者からのコメント●
使用する人にリサイクルの大切さを訴える役割を担う推奨マークは、小中学生向けの教材などで広く紹介されており、子供たちへの認知度は拡大しています。
しかし、再生 PET ボトル製品を製造している側には、推奨マークを使用せずに販売している企業も多く、生活者にとって「環境に良い再生 PET 製品」の選択肢がまだ少ないというのが現状です。推奨マークを取得されていない企業には、再生 PET 製品訴求のためにも、積極的に推奨マークのご利用をお願いいたします。
取材ご協力 PET ボトル協議会 中村 隆様
住所 :〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬 7-16 ニッケイビル 2 階
電話 :03-3662-7591 URL :http://www.petbottle-rec.gr.jp/