さりげなく入った喫茶店や、さりげなく買った新幹線のコーヒー、さらにはいつも飲んでいる紅茶の茶葉も、もしかしたら、この認証のついた商品かもしれません。
今回ご紹介するのは、持続可能な農業と、現地の人々の生活を支える、レインフォレスト・アライアンス認証です。ロゴは、環境変化に最も敏感な生物であり、バロメータになるという理由から、カエルをモチーフとしているそうです。
●認証制度の特徴は?●
生物多様性の保全活動と、サステナビリティへの取り組みを
行う、国際的な環境保護団体「レインフォレスト・アライアンス」が管理する環境ラベルのうち、「農園」を認証したものです。
土壌・水等の環境保全をはじめ、農薬の制限や廃棄物の管理など、厳格な基準を満たした農園が、「レインフォレスト・アライアンス認証農園」となります。今では、全世界に、70 万件以上の認証農園があります。そこで生産された農作物につけられるのが、「レインフォレスト・アライアンス認証マーク」です。
●社会的課題との関わりは?●
地球環境保護と、生産地の人々の持続可能な生活を確保することを使命としています。
森林や生態系の保護、土壌や水資源の保全、農家の労働環境の改善や生活保障、さらには農園管理のスキルの向上といった、厳しい基準を満たした農園にのみ「レインフォレスト・アライアンス認証」が与えられます。
●認証を取得した商品●
日本では、コーヒー、紅茶、バナナ、チョコレート、パイナップル、オレンジジュース、ルイボス茶などが販売されています。
認証商品の取り扱いメーカーは、森永乳業(株)、UCC ホールディングス(株)、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)、(株)ユニフルーティージャパン、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(株)、キリンビバレッジ(株)、日本コカ・コーラ(株)、キーコーヒー(株)、など多数あり、コーヒーや紅茶の飲料を中心に、身近に利用することができます。
●広報のご担当者からのコメントをいただきました!●
今はコーヒー、紅茶、バナナが主流ですが、今後はカカオの
認証を増やしたいと考えています。また、2010 年には畜牛認証が始まり、2012 年にはスパイスの認証が始まっています。今後はバニラや胡椒など、スパイスの認証をさらに広めていきたいと思っています。
認証の作物を使用することは、企業の社会的責任だけでなく、将来的に危機が叫ばれている農産物の供給を今から確保するという点で、非常に重要です。コーヒー、紅茶を始め熱帯の作物は、気候変動や世界的な需要増加などによる供給の減少、価格高騰が予見されていますので、認証制度の重要性をご理解いただき、早い段階から積極的に調達に取り入れていただきたいと思います。