【APSP第33回定例セミナーレポート】<br>ーニチバン株式会社ー<br>セロテープ®とニチバンの70年以上のソーシャルな取り組みと、 注目の共創型取り組みを仕掛ける今に迫る

2021/04/05

【APSP第33回定例セミナーレポート】
ーニチバン株式会社ー
セロテープ®とニチバンの70年以上のソーシャルな取り組みと、 注目の共創型取り組みを仕掛ける今に迫る

今回の定例セミナーでは、ソーシャルプロダクツ・アワード2021自由テーマ「大賞」を受賞したセロテープ®の取組みについて、「セロテープ®とニチバンの70年以上のソーシャルな取り組みと、注目の競争型取り組みを仕掛ける今に迫る」と題し、ニチバン株式会社 テープ事業本部上席執行役員本部長の小林英治様にお話しいただきました。

第1部 講演「セロテープ®とニチバンの70年以上にわたるソーシャルな取り組み」

第1部ではセロテープ®にまつわるお話を5本立てで紹介していただきました。ここではそのうち2つを紹介します。

1.セロテープ®のうんちく3点

①セロテープ®は天然素材

ニチバンが作るセロテープ®は、実は天然素材でできています。セロテープ®は主にセロハンと天然ゴムで作られており、セロハンの元は木材チップから、天然ゴムはゴムの木から採取されています。

②セロテープはニチバンの製品名で登録商標

普段何気なく使っている「セロテープ」という名称は実はニチバンの製品名で、登録商標です。一般的にセロハンを使った透明なテープは「セロハン(粘着)テープ」と呼びます。セロテープのパッケージにも小さく「登録商標」と書かれているとのことでした。

③セロテープ®ではない透明テープは?

ではセロテープ®ではないテープは何かと言いますと、OPP(オリエンテッドポリプロピレン)テープというプラスチック素材のテープです。OPPテープに使われるOPPフィルムは石油から精製されるナフサから作られます。とても似ている両商品ですが、素材では植物由来か石油由来かで明確な違いがあります。

 

2.SDGsと環境への貢献

天然素材由来のセロテープ®を使うことで脱プラに貢献できます。具体的には、テープ1巻で約25gの脱プラが実現できるのです。この数字を年間単位で見ると、OPPテープの年間生産量が約3億巻ですので、25g×3億巻=7500トンのプラスチックを減らすことにつながります。またCO2排出量が少ないのも特徴です。燃焼時にOPPテープは119.8gほどCO2を排出するのに対し、セロテープ®は17.8gほどと約1/7削減可能です。このように日常で使われている透明テープをセロテープ®に変えるだけで今までよりも環境への貢献につながります

セロテープ®の詳細はこちら

そのほか、現在ニチバン様が注力している「Small Action for FUTURE」の取組みなども詳しくご紹介いただきました。

 

第2部「BtoB企業も必見!共創型取り組みの実践事例」

第2部では、小林様を含め、APSPの事務局長である深井、中間専務理事、江口会長の座談会が行われました。

セロテープ®が天然素材からできていることは、生活者にほとんど知られていないというエピソードや、身近な商品だからこそ多くの人に驚きとインパクトを持ってもらえるという商品の特長。環境配慮の商品であることをアピールしていったところ、実は自社の社員のモチベーションを上げることに大きく貢献したという非常に興味深いお話が交わされました。

多くのB to B企業にとって参考になる「Small Action for FUTURE」の取組みを例に、顧客の視点、ソーシャルの視点でつくる新しい価値について、熱い議論がありました。

 

70年以上も生活者に愛されるセロテープ®、今後の取組みに注目です。

(座談会の様子:写真左上=小林様)

 

【セミナーに参加して】

まず、ニチバンさんのセロテープ®が天然素材だと知り大変驚きました。壁もたくさんありながら、戦後から変わらず環境に配慮した取り組みを続けてきたことがまた注目を浴びていることを嬉しく思います。今回の例と同じように、気づいていないだけで実は良いことをやっているという事例は他にもあるでしょうし、新技術開発も大事ですが、意外と昔からある商品に持続可能な社会を築くヒントがあるのかもしれないと思いました。

APSPインターン

獨協大学経済学部経済学科4年 野口和雅(のぐち かずまさ)

環境問題に関心があり、大学では環境経済学を専攻。

この企業について

ニチバン株式会社

東京都文京区関口2丁目3番3号

https://www.nichiban.co.jp/

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